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紅姫と黒猫の夜

第16章 初夜

つまり、今日が初夜ということになる。

(…………今日、ジュダルちゃんと…っ!)

紅玉は想像して顔を赤らめる。

同じ寝台で眠ることはあっても、そういうことに及んだことはまだ無かった。



紅玉はまだ正真正銘の純潔であったのだ。



少し期待をはらませて、夕餉に向かう。



結婚してもかわらない、楽しい時間である。



そして、食事の時間の席は大分かわった。



半年前、笑顔で結婚を許してくれた父・紅徳は死に、皇位を継いだ玉艶までもが死に、かつて紅徳が座っていた席には紅炎が、そして、その向かい側。



皇帝である紅炎の正妻が座る席には、あの………練 白瑛が座っていた。

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