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I'll protect you.

第36章 犠牲



楓の怒声に隠れている俺らでさえ、体がビクッと震えた。



『停学なんて……っ

絶対お兄ちゃんがなんかしたんでしょ!!

何したのよ!!心くんに何したのよ!!!』




「殴ったのはあいつだ。

殴らずにはいられなかったんじゃねーの?

目の前であんな写真見せられちゃな?」





……写真?





『……あんな…写真?』








「優のエロ画像とか?

あいつAV女優にでもなればいいのにな?

あの時の日向の顔ときたらもう最高」






……こいつ…っ!!!





「日向もあと一回問題起こせば

退学だな。あいつさえいなくなれば

いつでも優を捌け口にできる。

あいつとの相性が一番いいからさ」





『……最低

こんな最低な人見たことない……

本当に最低!!!女を何だと思ってるのよ!!

優を…っ!優をなんだと思ってるのよっ!!』





「うるせーよ。

この前、お前の写真は大量に撮ったからな……

言う事を聞かなきゃお前のを学校中にバラまくぞ」





部室の中からガタガタっと大きな音がして俺は立ち上がったけど、涼太に腕を掴まれた。



涼太は首を横に振って


まだだ って言っているみたいだった。




「せいぜい、あの二人の仲を悪化させるんだな。

そしたらお前が大好きな日向は手に入るだろ。

俺が用意してやった

”妹”への

最高のプレゼントだ。ありがたく受け取れ」






そう言って、藤宮 淳は部室から出ていった。




藤宮が去ったことを確認して俺は部室の中へと足を踏み入れた。




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