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I'll protect you.

第39章 3人





『光輝君……?』




光輝君の顔を覗き込もうとした瞬間、光輝君の腕に引き寄せられた。





「優が好きだった。

多分12年前からお前は俺の中に住み続けてた。

途中、自分の気持ちが分からなくなったけど

確かに、俺は優のことを心のどこかで想ってた。

だけど、2年前……

自分の人生を蹴ってでも優を守ったあの最高にカッコイイ男には敵わないと思った。

いくら頑張っても俺はあいつには勝てねぇ。」




『光輝君…』




光輝君の腕の中はとても暖かくて、私を優しく包み込んでくれている。




「……前に進みたい。

俺に必要なのは

綺麗なフラれ方だと思うから……

思いっきり酷い言葉で俺をフってほしい」






心君がいなくなってから



ずっと私の傍で支えて笑顔をくれた光輝君




いつも、光輝君がいてそれが当たり前になってた。




昔よりも何百倍もカッコよくなった光輝君




まだ小さい子供だと思ってた光輝君が



今じゃ、こんなにも大人で誰よりも周りに気を配れる優しい人になった。




そんな光輝君に贈る言葉に、




酷い言葉なんて浮かんでこないよ








『ありがと!』






光輝君がいたから乗り越えられた2年間だから







『光輝君のおかげで笑っていられたんだよ。

心君がいない寂しさを一緒に乗り越えてくれた。

だから、ごめんね。

酷い言葉なんて思い浮かばない。

光輝君には感謝の気持ちしかないから』






「なんだよそれ!!

綺麗にまとめやがって!

俺どうやって諦めればいいわけ!!?」





光輝君は私を離して私の目を見て訴えてくる。



その目は本当に困っているようで、それがなんだかおかしくて私は堪えきれず吹き出した。





「なんで笑うんだよ!!

こんな告白始めてだ!!」






光輝君にはちゃんといるでしょ?




もう一人の大切な女の子が




『光輝君こそ、ちゃんと向き合ったら?

本当に光輝君のこと想ってくれてる人がいるでしょ?』






「え?」






『今度こそ、離すんじゃないぞ!!!』








光輝君の運命の人はきっと……あの人だよ






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