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ショートラブストーリー

第10章 美帆②

「そっ…そんな事ないですよ!?」

慌てて言うけど、課長は笑みを浮かべたまま

「いつも楽しそうに仕事してるよな」

課長、あたしの事見てくれてたんだ。

「そういうの、好きだけどな」

「…え!?」

思ってもない言葉を聞いて、思わず聞き返してしまう。

すると課長は、あ…と呟いて

「え…と…ごめん」

ごめん?何で!?

意味が掴めず、課長の横顔を見つめる。

けど、前を向いたまま運転しているその顔からは、真意が読み取れなかった。

お互いが何も話さないまま、暫く時間が過ぎていく。

課長がひとつため息をついた。

「…俺、4月から本社に行く事になってね」

「はい!?」

突然の話すぎて、驚く事しか出来ない。

本社は東京にあるんだけど…ここからだと新幹線でも二時間弱はかかる。

「まだ内示がまだだから内緒だけど、ほぼ決定」

「それは…おめでとうございます」

本社勤務なんて、優秀なのを見込まれてって事だし。

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