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ショートラブストーリー

第10章 美帆②

食事も済んで。

お店から課長の車に戻ってきた。

あたしの告白(?)に、課長からの返答は無く…

課長がどう思ってるのかが気になって仕方なかった。

でも…何となく分かる。

あぁ…ダメなんだろうな…。

だって、課長にその気があれば、何らかのアプローチがあっていい筈。

雰囲気で察しろ…って事かな。大人な断り方だよね…。

「家まで送るよ」

「え!?いいです!!近いところの駅で」

「遅くなったし、女の子一人で帰すのは心配だから」

『女の子』と呼ばれたことで、子供扱いされてる気分になってしまう。

やっぱり、恋愛対象として見てもらえないんだ…。

黙ったあたしを見て、了承が取れたと思ったのか、課長は車を動かした。

「藤池って事は…三井寺公園の近く?」

「あ、そっちとは逆で…市民会館の方です」

「あー、分かった。了解」

大通りに出て、しばらく静寂が訪れる。

気まずい…でも何喋ればいいんだろう…。

行きの緊張とは違う空気に包まれていると

「何だか、今日は大人しいな」

課長が微笑みながら言った。

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