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ショートラブストーリー

第4章 美夜子(みやこ)

唇が離れてしばらく見つめあって。

「これなら照れてくれる?」

あたしの囁いた言葉に貴史は目を見開いた。

「お前…何考えてんだよ!?人を試すためにこんなことするな!!」

試す?どうして?

「たかちゃんが分かってくれないからだよ!!あたし、ちゃんと言ったのに全然相手にしてくれないから!!」

「だからって…」

「あたし、たかちゃんが好きなの!!他の誰でもなくて、たかちゃんだけが好きなんだから!!」

その途端。貴史に抱き締められてた。

「お前…バカ。本当にどうしようもないバカだな…」

「うん…」

あたしは貴史の背中に腕を伸ばして、そうっと抱き締め返した。

「たかちゃんは…?あたしの事、好き?」

「…こういう状況で、それ聞くか?」

貴史が低い声で呟いた。

「聞きたいもん。気になるんだから」

「…それくらい、分かれよ」

そう言って、あたしに顔を近づけた…。

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