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幸せな時間

第2章 きっかけ

チッと心の中で舌打ちをしながら、
不機嫌そうに言った。

「何?」
「そんなガッカリすんなよ~
俺で悪かったな」

彼いわく、私の態度は分かりやすいらしく、渡辺君が気づいているかはさておき、他の人たちは全員知っているらしい。

「別にガッカリはしてないけど~
 ただちょっと渡辺君だったらよかっ たのになって思っただけ!!」

「十分ガッカリしてんじゃん」

「ねえねえ。ちょっと教えてほしいんだけど」

「あいつの好きな人はしらねーよ」

「違う!!  そうじゃなくて勉強!!
 数学!! 」

「なんだよ。じゃあもう行こうぜ」

「あっ。教えてくれるんだ。
 珍しく優しいじゃん」

「俺はいつも優しいだろ?
 ていうかお前上からだな?
 これから俺に教えて貰うくせに」

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