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彼女の一日

第1章 一日目

彼女はまだ若い。
世間的にはまだ子供と言っていい。
しかし、年齢の割りに経験は積んでいる方かもしれない。
ある一定の経験に関して。
彼女は幼少の頃、小学校低学年から高学年までジュニアアイドルとして活動していた。
過去形なのは現在は活動していないからだ。
彼女は幼いながら、大人が喜ぶ、あるいは興奮するポーズを、表情をその経験によって取得した。
格別美少女という訳ではない。
なにかそそるものを持っていた。
そしてそれを自覚していた。
彼女は早熟で、初めての彼氏が出来たのは小学校5年生だった。
相手は社会人だった。
彼女は彼女なりに子供であったが、不思議と何をすればいいのか、というより何もしなくてもいいことを知っていた。
ただ、身を任せるだけだ。
彼女は思い出す。
初めての彼のことを。

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