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禁断兄妹

第33章 熱帯夜 ~ひとつになる夜~


伏せていた目を開くと
驚いたのか
見開かれているお兄ちゃんの瞳


「ごめんなさい‥‥待たせようと思った訳じゃないんだけど、緊張してて‥‥気づいたら時間が経ってて‥‥」


私の言葉に
お兄ちゃんはふふっと笑った。


「‥‥萌からキスしてくれたの初めてだったから、びっくりして何言おうとしてたか忘れた‥‥」


優しい瞳で
優しい声で
クスクスと笑う。


「‥‥もう一回して‥‥?」


首を傾け甘く囁かれて
私はもう一度唇を寄せた。

一瞬触れるだけのキス

でも胸の中
火が灯ったように
熱くなる。


「もう一回‥‥」


求められるままに唇を重ねる。

好き

お兄ちゃん

すごく好き

触れる度
強くなる想い

私の熱が移っていくかのように
温かくなっていくお兄ちゃんの唇

私を抱くその両手に
じわり
力がこもる。


「もう一回‥‥」


囁きながらお兄ちゃんが歩き出す。
口づけを繰り返しながら
開けたままだったガラス窓をくぐるようにして
部屋の中へ


「そこ閉めて‥‥カーテン、引いて」


言われるままに
窓を閉めてカーテンを引くと
もう部屋の中は
二人だけの閉じられた空間のようで
胸が苦しい

お兄ちゃんはベッドに歩み寄ると片手で掛布団を取り払って
そのシーツの真ん中に静かに私を下ろした。

さらさらとした肌触り
きっと替えてくれたんだ。

お兄ちゃんは一歩引くと
着ていたニットのガウンを脱いで無造作に放り投げると
腕を交差するようにして
Tシャツも脱ぎ捨てた。

あの夜よりも厚みが増して
逞しくなっている身体
彫刻のよう

乱れた髪を振り払うように軽く首を振りながら
お兄ちゃんが私を見下ろす。

艶かしい視線に心臓が早鐘のように打ち鳴らされて
もうこれ以上ないくらいの
緊張

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