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禁断兄妹

第33章 熱帯夜 ~ひとつになる夜~


お兄ちゃんがゆっくりとベッドの上に登る。

燃える瞳
逞しくもしなやかな身体

両手と両膝をついて私の目を覗きこむその姿は
野生の豹を連想させる。

目を合わせていられなくて
俯いた私の視界に入ってきた指先
思わず目を閉じると
静かに髪を耳にかけられて
耳たぶにお兄ちゃんの唇が触れた。


「‥‥あの日のイヤリングだ‥‥」


私は
あのお祭りの日にお兄ちゃんが買ってくれたイヤリングをつけていた。

私に告白したいと思ってくれたあの日
私も同じ気持ちだった
その大切な想い出を
身にまといたかった。

バジャマにイヤリングなんて変かもしれないって
迷って
何度もつけては外して
でもやっぱりつけた。

私の想いを
少しでも伝えたかったから

ちゃんと気づいてくれて
すごく嬉しい。


「まったく‥‥可愛いことしてくれる‥‥」


お兄ちゃんがため息をつくように囁く。

唇で耳たぶを食むように口づけられて
耳に首筋にかかる熱い息
無意識に身体が震えてしまう。

開いた両足の間に
横座りの私の身体を挟むようにして
お兄ちゃんは腰を下ろした。

縮こまるように身体を固くしている私に
色っぽくクスリと笑う声が
小さく聞こえた。


「さっき、緊張してるって、言ってたね‥‥」


頷いた私の
腰の辺りに回される両手
その大きな身体の内側にすっぽりと囲われて
呼吸さえ上手くできない。


「怖い‥‥?」


黙ったまま首を振った。


「俺も‥‥すごく緊張してる‥‥」

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