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禁断兄妹

第38章 あなたを助けたい


男らしい眉はきつく寄せられて
苦しげな瞳が何かを訴えかけるようにまっすぐに私を見ている。

恐ろしいほどの沈黙
私が何か言うのを待っていると気づく。

でも
鷲掴みにされた心臓
潰れた喉
声が出ない

灰谷さんの瞳に失望の色が揺れた。


「かき口説かれていたのは、萌さん、やはりあなただったんですね。そしてあの男は、あなたの‥‥お兄さんですね‥‥?」

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