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禁断兄妹

第38章 あなたを助けたい


すうっ‥‥

目の前が暗くなった。

反対に真っ白になる頭の中
身体の力が抜けていく。

お兄ちゃん、と呼び掛けるように書いた手紙
まさか中を見られたの

思わず封へ目を走らせた私に


「見損なわないでください」


灰谷さんの悲しげな声
その言葉通り
開けた形跡などなかった。


「‥‥すみま、せん‥‥」


そんなことする人じゃないって知っているのに

動揺してる


「彼があなたのご家族‥‥兄であることは以前からわかっていました。ただ、長い間姿を見ていなかったので、あの時、すぐにはわからなかった。でも、その直後に拾った差出人であるあなたと同じ苗字の名前が記された封筒を見て、全てが繋がりました‥‥」


悲しみとも怒りともつかない
灰谷さんの静かな声

こんな時にかぎって誰も来ないフロア
射し込んでいた夕日は陰り始めている。

言いようのない恐怖が喉元までせり上がって
私の両足が震えだす。

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