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未成熟の成長

第2章 コンクリート


二日目<観測者A>


こっから眺める景色が好きだ。

川が見えて、山も見えて、街も見える。

でも、人は見えない。

だから好きだ。

タバコを燻らせながら、依頼を確認する。

ターゲットは漆原財閥の頂点に立つあのおかた。

道理で依頼額がはねあがるわけだ。

先日の成金みたいな貴族とはまるで訳が違う。

今回は流石に一人じゃ厳しいかもしれないな。

あいつにも、協力してもらわないと。

俺はスマホを片手に、夕日が落ちるのを待った。

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