未成熟の成長
第2章 コンクリート
「漆原にはね、伝説があるの」
少女は呟く。
「俺は伝説は信じない」
「信じなくても、あるのよ」
「そうだな、話くらいは聞いてやろう」
「それはね」
それは、三号館にさしかかった瞬間のことだった。
黒い目出し帽をかぶった男が三人、目の前に躍り出てきた。
間伐入れずに金属バッドで殴りかかってくる。
「馬鹿らしいな」
「楽しくない?」
「まぁ、それなりに」
右の男は重心をずらせば、転ぶ。
左の人間は野球なんてしたことないな、バットの持ち方が甘い。
気になるのは真ん中か、ラスボスってところか。
「じゃ、軽く肩慣らしってことで」