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いつまでも、何年経っても切なくて

第2章 大切な人

「大人になっても、こうやって4人で会いたい。」
と、雅が言って少ししんみりした後、響が急に立ち上がった。


「そろそろ帰るぞ。」と響は私の腕を引き、立ち上がらせた。


私もそろそろ帰ろ、と響に声をかけようと思っていた。


また初詣の時会う約束をして私と響はその部屋を出た。


寒い寒い帰り道。吐く息は真っ白で。
手袋の無い私たちは両手を擦りあわせながら歩いていた。


「今頃あいつらうまくいってんのかな?」

『いってるでしょ。きっと。』

「キス...してたりして...。」

『なっ...何言ってるのよバカ!』

「バカは莉子だろ、バーカ!」

『今は泣いてないんだからバカはつけなくていいの!』

「泣かせたらバカって言っていいのか?」

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