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散りゆく花

第3章 真実



『…なんだそれは。どうせ作り物だろう?』

男の顔が引きつる。

『俺がわざわざこんな嘘言いにくるわけないでしょ?』

『……何がしたい?』


『何って、おじさんが暴力奮うんだったら離婚してよ』

男の顔にはさっきの動揺は微塵も感じられず、ただただ怒りがこみ上げているようだ。


『子どもだからさっきまでは優しくしていたが、もう知らないからな。』

男がそう言うとポケットからナイフを取り出した。

ヒュッ

男が振りかぶったのをギリギリ避けたが頬には赤い線ができていた。
男と揉み合いになり


グサッ


ナイフが刺さってしまった。
左胸に。

『うっ…』


『おじさん…!おじさん…!こんなつもりじゃなかったんだ!』

『ひ…なた…くん、君のせいじゃない…。このまま…君は家に、うっ、帰って…』

赤いシミが広がってゆく。


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