未成熟の推察
第2章 ジャンキーパーティー
仕事の打ち合わせは粗方済んだので、黒木とは解散した。
明後日にジャンキーパーティーで落ち合うことになっているが、裸にはなりたくないな。
どうしたものか。
「匠さん。金も払えない奴をね、うちは置いとけないんだよ」
「ほら、これでいいか。ちょっとオマケもつけといたぞ」
「え、あ、うん。そうだね。生意気なこと言ってごめんなさいね。ごゆっくり」
カルツアイ。
ああいう大家は将来ろくな死に方しないぞ。
こんな小さい部屋に月何万も取るんだから怖いところだよ。東京ってやつは。
携帯をいじりながら、津田さんのことを思い出す。
あの人は悪い人ではない。
正しいことをしているんだ。
だけど世界が間違っているから、津田さんが悪に見えてしまうんだ。
俺は辞めたはずだった。
かなわない敵に負けて、仲間を失うのはもうコリゴリだったから。
あんな思いは、金輪際ごめんだ。