居場所のない世界
第1章 始まりの木
少年は暗い森の中に入り野宿する。
葉っぱをかき集め、火をつける。
一瞬にオレンジに染まった色は、自然と少年を癒してくれた。
火をつけ終わった所で横になる。
少年は暗い空を見上げていた。
眼にうつる空は暗い。
少年は悲しくなった。
頬に涙がとおる
少年の心は、今、闇の中……
闇の中で、ぐるぐると回る。
まだ、10歳にもならない少年は一人。
人間……悪魔……
僕はどっちなんだろう。
と、少年は考えていた。
まだ、自分が化け物と理解していない。
あれほど、人間が『化け物めっ!』と言われたはずなのに…
だが、少年はそれどころじゃなかった。
<痛み、苦痛>が襲っていた。
人間が放った言葉は痛みで聞こえない。
それほど、酷い拷問にあっていた少年
まだ、体にアザや傷が残っていた。
一緒消えない傷
その傷を、まだ幼い子供が背負っている。
人間は考えない。
化け物だから、生まれて来たから、いけないんだ
と、言い訳するだけ。
それが当たり前のように考える。
少年を見放し人間界に落とした、悪魔が悪いのか
監禁して拷問した、人間が悪いのか
その答は
まだ、誰も知らなかった