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とある鬼調伏一族の元旦

第3章 夜の初詣

夕餉も終わり、伯母御一行が帰ると桃花は蒸苑蒔に呼ばれた。

行ってみると蒸苑蒔は着流しに着替えている。

「何でしょう?蒸苑蒔様」

「今から僕と初詣に行きませんか?」

「今から…ですか?」

「はい。お願い事は書いてあるんでしょ?あのおまじないは元旦でないと効果がないそうですよ」

「そうなんですか!」

もう、外も暗い。

いくら近いとはいえ遅くに外に出るわけには行かない。

「千鶴さんには言ってありますから、いきましょう」

「はい!」

まさか蒸苑蒔と初詣にいけるとは思ってもなかった。

こんなにいいことがあっていいのだろうか。

そんな風に舞い上がってしまう。

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