
Take me
第18章 18
そう。
うちの家系は、市内でもそこそこ大きな病院を経営している。
今の院長はお父さん、そしてその跡継ぎになろうとしているのが、千晃さん。
だからめちゃくちゃ忙しいはずなのに、前は何度も会いに来たりして…
「いいよ、連絡なんか来なくて。
今はもう関係ない他人なんだから。」
「…」
瑛士はなにも言わなかった。
だけど、言葉を発する代わりに頭をわしゃわしゃと乱暴に撫でたんだ。
「ちょっと俺、飲み物買ってくるわ」
「あ…俺も行く。」
「あそこで座ってたら?」
ベンチを指差す。
「…わかった」
一人にされると、本当に独りになりそうで怖い。
このまま瑛士が戻って来なかったらどうしようって。
「…っ瑛士」
