
Take me
第18章 18
目の前に見えているのに。
自動販売機から飲み物を取り出している瑛士。
もう、戻ってくるって分かってるのに。
ドンッ
「…ぅおっ、紘夢?」
待っていられなくて、不安で仕方なくて。
そう思ったらこの足はもう瑛士に向かって走り出していた。
瑛士の上着の裾を強く握る。
瑛士は俺の手を引き剥がした。
「…えっ」
なんで…っ?
不安で顔を上げれば、優しく笑う顔。
「あったかいやつにした。」
俺の手を取って、ココアの入った温かい缶を握らせる。
あ、なんだ…。
「帰るか。」
「ん。」
