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寡黙男子

第1章 はじめの一歩から *亜紀乃の世界*

しばらくの沈黙が続いた。


うざいとか…思われたかも…


モヤモヤしててそれを解消したかったくせに、すごく時間を戻したくなった…。


もういいや…
黙って背中見てるだけで──



『何の返事をすればいいの?』



────は?



高橋くんの淡々とした言葉にずっこけそうになったのをよく覚えてる。



『何って…だからっ…その…っ付き合ってくれるのか…そうじゃないのかっていう…』


『………俺と、付き合いたいの?』




さすがにイライラして顔をジッと見つめた。


バカにしないでよっ…!って言いそうになったけど、真顔な高橋くんを見て、彼が真面目にその質問をしていることに気付いた。



『うん…もしよかったら…付き合い…たい…』



その時、
窓から風が吹いて、カーテンが揺れた。


それを眺めていた高橋くんの長い前髪も靡いて…



えっ…
ちょっ!?
すごい…かっこいいんだけど…っ!?!?



告白の最中に
私は新たに知った彼にまた恋をした。

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