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寡黙男子

第1章 はじめの一歩から *亜紀乃の世界*

『…………よろしくお願いします』


『え?』



高橋くんが隠れイケメンだったことにびっくりしていた私は、最初、聞こえてきた言葉の意味が分からなかった。



よろしくお願いしますってのはつまり?
私と付き合ってくれると…そゆこと?


ていうか、今、本当に…




『よろしくお願いしますって…言った?』


『うん、言った。』




私と高橋くんは
そんな、ちょっとズレた感じでスタートした。



そして────


もう付き合って3ヶ月。
ラブラブで下校中っ…♪



な訳なく…



「……………」


「……………」




いつも通りの沈黙。


手を繋いでいるわけでもない。ただ二人で並んで歩いているだけ。


うん、これさ、
絶対にカップルに見えてないと思うんだ…



「高橋くん?」


「………なに?」



もちろん話し掛ければ返ってくるんだけどね…
いつも変な間はあるけど。

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