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隠れて甘いkissをして

第2章 突然の出逢い

「………帰ろう」


重苦しい空気の中、立花は店員を呼んで会計をした。

私は黙ってその後についていく。

無言のまま2人並んで歩いていたけど、駅に着くと立花はいつもの笑顔に戻っていた。


「俺の方の電車が先に出るな。
気をつけて帰れよ? 」

「…………」

「ほら、そんな暗い顔するなって」


普通に話しかけてくれるのに、私は声が出ない。


「……さっきは悪かったよ、キツイ言い方して」


立花は私を見て、優しくそう言った。

……なんで、何も悪くないあなたが謝るの……


「気をつけて帰れよな。また明日」


帰る方向が逆だから、立花は反対側のホームに消えていく。

その後ろ姿を見つめながら、結局私は一言も言えずに立ち尽くしていた。

………頭の中で、言い放たれた立花の言葉が響く。



“ お前には関係ない ”

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