
隠れて甘いkissをして
第13章 二人の夜
「今日は、由宇ちゃんを喜ばす景色も何も用意してない。
……この前俺が言ったこと、覚えてる?」
……あ……
隼人の目の色が変わった。
「俺がどれだけ君の事を想ってるか
君自身が感じるまで、今日は離さないから」
「…………!」
覚悟してね、と最後に笑って言った彼は、座り直してアクセルを踏んだ。
し、死んでしまうかもしれない……
2人の夜は始まったばかり。
目的地に着くまで、私の心臓、お願いだから落ち着いて……!
もう既に破裂しそうな胸を押さえて
緊張を落ち着かせるように、私は流れる景色に目を向けた。
