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隠れて甘いkissをして

第17章 涙

こんなに自分の気持ちを素直に話す咲原は初めてで

俺は何も言えなくなってしまった。



「……私、本当は立花の彼女が羨ましかった。

立花が、彼女を大切にしているのを見ていたから、私もそうなりたいって、ずっとずっと思ってた。

だから……隼人と出逢えて、少しは自分も変わるかなって。

立花に、良かったねって、がんばれって…

そう言って欲しかったの……」



咲原の声は、最後は涙でかすれていた。

込み上げてくる何かで、俺は全身に力が入る。



「………腕、痛い。
離して………」



右腕を掴んだままだったことに気付き、慌てて手を離した。


でも


震えるその肩を、俺は……

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