テキストサイズ

隠れて甘いkissをして

第17章 涙


RRRRRRRR……

「…………!」



ポケットの中の携帯が鳴って

俺はハッと我に返り、差し出した手を止めた。



「……彼女でしょ。出ていいよ」

「咲原……」

「今日の事、ちゃんと誤解解いておいてね。
……おやすみなさい」



そう言うと、咲原は駅に向かって走っていってしまった。



「…………っ」



唖然として、自分の手を見つめる。

……俺……

今、この手であいつを抱きしめようと……



携帯が鳴り続ける中、俺は自分の行動に戸惑い

しばらくその場所から動けなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ