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隠れて甘いkissをして

第30章 言葉にできなくて

「……もうこんな時間だったか」



立花は呟き、書類を持って別の部署の方に向かう。

私は、香ちゃんが隣りで残業していた事に今更気付いた。



「大丈夫? 帰れそう?」

「大丈夫です。
でも香、午後はほとんどボーッとしてて全然進まなかった……」



香ちゃん小さい声で答える。

いつもと違って笑顔が無く、メイクも心なしか薄めの彼女。

………どうしたんだろう?



「……なんか、元気ない?
何かあった?」



心配になって思わず声をかけると、香ちゃんは体を私の方に向けた。



「……実は、土曜日に彼氏とケンカして。
別れ話まで出て、そのままお互い冷戦状態なんです」


「えぇ!?」



香ちゃんの発言に、私は思わず大きい声が出てしまった。

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