
隠れて甘いkissをして
第30章 言葉にできなくて
「立花! 海老沢!
お前らも無視してんじゃないよ、まったく」
その声に、2人ものろのろと顔を主任に向ける。
私を含めて3人の席は、周りから見ても鬱陶しい程ドロドロした空気に包まれていた。
主任が溜息をつく。
「あのなぁ。
いつもうるさいお前達が、揃いも揃って静かだと、流石に俺も心配になるぞ。
何があったか知らんが、もう終わらせて早く帰れよ。
残った仕事は明日にまわして、帰って風呂入って寝ろ。
俺は帰るぞ」
主任は言い捨てて先に出て行く。
時計の針は夜の8時をまわっていた。
