
隠れて甘いkissをして
第30章 言葉にできなくて
立花を見ると、香ちゃんは何も言わずに席に戻った。
「………?」
急に喋らなくなった様子が気になったけど
なんとなく話す雰囲気では無かったから、私も帰り支度を始める。
すると、香ちゃんはいつもの笑顔に戻り、先に席を立った。
「じゃ、香はお先に帰りまーす!
立花先輩と咲原先輩は “ 一緒に ” 帰ってくださいね♡
ちゃんと仲直りしてくださ~い」
「……………!」
私と立花を置いて、香ちゃんは出ていった。
「……………」
少しの間、沈黙。
私がモタモタしていると、立花が声をかけてきた。
「帰ろう。
……駅まで一緒に行こうぜ」
