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隠れて甘いkissをして

第31章 疑心



「……咲原……」



立花もその見出しを見つけ、私の方を見る。


過去……

彼女……


今まさにその事を思っていたところに、こんな偶然ってあるのだろうか。


私は意を決して、本屋の中に足を進めた。



「お、おい……!」



立花も慌てて後からついてくる。


今まで、雑誌もネットも、メディアから流れる隼人の情報からは、極力避けてきた。


ちょっと前の私だったら、週刊誌の記事なんて放っておいたと思う。


だけど、この時ばかりは衝動にかられて、自分を止める事ができなかった。

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