
隠れて甘いkissをして
第31章 疑心
「………ふっ」
「………咲原?」
週刊誌を広げたまま、ふいに笑い出した私。
横から一緒に見ていた立花が困ったように見つめた。
「なにこの記事。
隼人の……何が分かってこんなこと。
ていうか、このタイトル何?
華麗なる歴代彼女と続かない10の謎って。
ダサすぎ。
イタイなぁ本当に……」
肩が震える。
笑いを堪えているのか、涙を耐えているのか
自分で言ってて途中からわからなくなってきた。
週刊誌を広げて、独り言のように記事の悪口を言う。
周りから見たら、大勢の中の1人のファンが、隼人の記事を見ながらブツブツと呟いてるくらいにしか見えないよ。
………イタイのは私の方だ。
