
隠れて甘いkissをして
第31章 疑心
「なに笑ってんだよ。
さっきまで泣きそうな顔してやがったくせに」
「だ、だって」
私はついに吹き出してしまう。
「さ、さっきまですごく優しく話してくれてたのに…
言葉遣いとか、その顔とか、立花じゃないみたい…」
立花は片手で顔を覆う。
「悪かったな。
………もー嫌だお前!
その感情の起伏の激しさをどうにかしろよ!
振り回されてるこっちの身にもなれ」
「ご、ごめんなさい……」
……仰る通り。
立花からしてみれば、迷惑この上ない女だ。
それでも立花のお陰で、私は自然と笑顔になった。
日曜の夕方から、心から笑うことができなくなっていたんだ。
