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隠れて甘いkissをして

第31章 疑心

「帰るぞ」



私の笑い声に耐えられなくなった立花は、ホームに向かって歩き出した。



「なんだか詳しいね、立花。

前にスパニッシュの店に行った時も、芸能界なんて世界が違うからやめとけって言ってたし」



後ろから立花に話しかけると、立花は振り返らずにボソっと呟いた。



「学生の時、少しかじってたから」

「えっ? 何?」

「だから……俺も少しだけモデルみたいなことやったんだよ。
コンテストで入賞したことがキッカケで」

「そうなの!? どんなコンテスト?」



そんな話初めて聞いた。



群を抜いたイケメンって認めるけど

自ら前には出ようとしない立花が、その業界にいたなんて驚いた。

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