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隠れて甘いkissをして

第31章 疑心

「それでも結構雑誌載ったりTV出たりしたんだぜ。

って、だいたいなんでこんな話になってんだよ!

お前といると調子狂う。

もうこれ以上俺の爽やかさを崩すな」



笑いが止まらなくて、お腹を抱えていると

立花が静かに言った。



「………お前、遊びじゃなくて。

七瀬隼人とちゃんと付き合ってんだろ?」


「…………!」


「大事にされてるんだろーな?」




トクンと心臓が鳴る。




「……うん。
すごく、してもらってるよ」


「それなら、いいんだ。

それが一番聞きたかったから。

安心した」




立花はそう言うと、優しく微笑んでくれる。



………ありがとう。



改札の先で別れるまで、心の中で何度も繰り返した。




この時、周りは全く見てなかったから。


立花と私を駅前からずっと追っていた視線には


気付けなかった。

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