テキストサイズ

隠れて甘いkissをして

第1章 ツイてない日

仕事がなんとかひと段落しても、イライラが治まらない私。


帰ろうとしていた立花を、いつもの居酒屋に半ば強引に連れてきた。


腕時計の針が、ちょうど夜の9時を指している。



「はいはい、咲原はよく頑張ったよ」

「棒読みですけど」

「なんだかんだ言っても、終わったんだからいーじゃねーか。
明日も普通に仕事なんだから、あんまり飲むなって」

「………なによ」



キンキンに冷えたビールを一気飲み。


空にしたジョッキをテーブルに置いて、私はにっこりと笑う。



「まだ9時よ?帰らせないからね」

「…………」

「すみませーん! これと同じのもう1杯くださーい」



私が店員におかわりを頼む姿を見て、立花は深く溜息をついた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ