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隠れて甘いkissをして

第1章 ツイてない日

「咲原さぁ、今日だけ最悪みたいなこと言ってるけど」

「けど、何?」

「お前結構前からそんな感じでやさぐれてるの、自分で分かってる?」



……今日は特に重なった、と言おうとしたけど直前で止めた。


言われてみれば、こうして飲みに行く度に放つセリフだ。


運ばれてきた3杯めを喉に流し込む。



「……まぁ、その通りかもね。
なんでもストレスに感じる気がする」

「仕事はストレスの連続だから仕方ねーけど。
他に楽しい事とか、なんかねーの?」

「う~~ん……」

「毎回こうして俺と飲むだけじゃ、発散できないだろ」



立花は早々に切り上げたかったみたいだけど、やれやれと諦めの表情で笑い、ビールの追加を頼んだ。


センスのいいネクタイを緩めて、取りだした煙草に火をつける。



「…………」



……いつも文句を言いながらも


立花は、結局はこうして私の愚痴に付き合ってくれるんだ。

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