
隠れて甘いkissをして
第33章 嵐の救世主
……こ、怖い………
隼人の一言一言は、相手に有無を言わさない迫力に満ちていた。
私まで背筋が凍る。
それでも、クルッと振り返った隼人は、いつもの声に戻った。
「行こうぜ、もう話すこと無い」
その切り替えの早さに唖然としてしまう。
隼人は私の手を取って、車に向かってスタスタと歩き出す。
その後ろで、彼女達の声が聞こえてきた。
「……ねぇ……
本物じゃないよ……ね?」
「まさか……!
ありえないわよ……!」
隼人はもう振り返らなかった。
嵐のように、あっという間の出来事だった。
