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隠れて甘いkissをして

第35章 離れる心

「立花、遅くなってごめんね」



咲原は息を整えながら、俺を見てニコリと笑った。



「主任の面白い話、もう一度聞けるかな?
私、喉カラカラだから早く入ろう」



店のドアを開けようとした咲原を、俺は止めた。



「咲原……ごめん。
さっき、海老沢から話を聞いたよ」



咲原が振り返る。



「麻里奈がお前に何か言ったんだろ?
あいつこの前も会社の前に来たから。
何があった? 俺がちゃんと……」

「ごめんね、立花」



俺の言葉を遮り、咲原が言った。

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