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隠れて甘いkissをして

第35章 離れる心

「……麻里奈」

「絶対嫌!
あんな人に、アキくんを盗られるなんて……!」




大粒の涙を流す麻里奈を、電車を待つ周りの人がチラチラと見ている。

俺は立ち上がり、麻里奈の手を取って立たせた。




「麻里奈……ごめん。
俺が全部悪いんだよ。
少し前から、自分の気持ちがブレてる」

「…………っ」

「そんな中途半端でお前と一緒にはいれない。
………咲原とどうなりたいとかじゃないんだ。
とにかく、少し離れる時間がほしい」




麻里奈は、泣き止まない。

それでも、俺は自分の言葉を取り消すつもりはなかった。



勝手なのは分かってる。

だけど、これ以上自分の本音を抑えることができなかった。

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