
隠れて甘いkissをして
第35章 離れる心
麻里奈が目に涙を溜めて俺を見る。
………咲原の事を
好き………?
気付いたら、あいつの事ばかり考えている。
咲原が悩んでいたり落ち込んだりしていると、どうしても放っておけない。
七瀬隼人と付き合ってから、その想いは一段と強くなった。
恋をしている咲原の表情に、俺は完全に目を奪われていた。
それは……
俺があいつの事を、好きになったからなのか………?
「アキくん、絶対騙されてる」
麻里奈の震える声で、俺はハッと我に返った。
「あんな人のどこがいいの?
なんであんな人の為に、距離を置かなきゃいけないのよ。
麻里奈、何も悪くないじゃない……!」
