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隠れて甘いkissをして

第37章 涙の決意

車から降りようとして、ドアに手をかけると




「ついでに、もうひとつ教えてあげるわ」




後ろから彼女が言った。




「隼人とあなたがメディアにバレないのは、隼人のマネージャーが陰で動いてるからよ。

事務所も強いけど、あのアンジーっていうのは、ああ見えて業界とマスコミに対して絶大な権力を持っているの」


「……………」


「隼人自身はあんな感じだけど、彼も彼なりに考えてうまく立ち回ってる。

あなたはな~んにも知らずに、幸せなんでしょうけど。

そういった事も彼らの負担になってるってこと、覚えておいてね」




私は振り向かずにドアを開けて、車から降りた。




「駅まで案内しましょうか?」




ずっと外で待っていた運転手の男が、私に声をかける。




「………結構です。
道、分かりますから」

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