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隠れて甘いkissをして

第38章 別れる理由

「……翔太、何当たり前のようにアポなしで来てるんだよ。
しかも実家に」

「先週も来たのよねー翔太くん」




翔太が答える前に、母親がアイスコーヒーを持ってきて割り込んでくる。




「大学生の頃はよくうちでみんな集まってたんだから、別にいいじゃない。
ねぇ、翔太くん」

「はい、ほんと立花家は居心地いいっす」

「母さん特に翔太くんは元気で体格良くて好きだわ~。
彰なんてヒョロヒョロしてて、物足りないのよー」

「でもおばさん、いつでもどこでもモテるのは彰なんですよ。
全くみんな見る目ないっすよね」

「……………」




大学から近い実家は溜まり場になっていて

翔太は卒業して俺が1人暮らしをしてからも、度々うちの実家に来ているらしい。




「母さん、いいから姉貴達のとこにいろよ。
翔太、2階に行くぞ」




俺は携帯を持って立ち上がり、翔太はグラスを持って階段を上がった。

やたら物置にされてはいるが、大学まで使っていた俺の部屋はそのまま残っている。

エアコンを付けて、タバコを咥えてライターを探していると、翔太が話しかけてきた。




「彰、一体どんな心境の変化だよ?

仲直りならまだしも、麻里奈ちゃんと婚約って」

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