
隠れて甘いkissをして
第39章 意外にも…?
「アキくん、ヒドイね。
麻里奈の事より、今はもう咲原さんの方が心配なんだ」
皮肉を言う麻里奈に、俺は言った。
「咲原は、俺が想ってる事なんて知らないんだ。
それに、あいつはもともと俺を誘ったりなんてしてないよ。
麻里奈の勘違いだ」
「……………」
「今は逆に、麻里奈に言われたことで俺を避けてる。
……だから、もうこれ以上
あいつを悲しませることはしないでほしい」
麻里奈は俺を見ずに、無表情のまま降り続く雨を見ている。
沈黙が続いたあと
麻里奈は持っていた傘を取り出した。
「…………帰るわ」
一言だけ言うと
そのまま街の中に消えていった。
