
隠れて甘いkissをして
第40章 叶うなら…このまま①
それから、何件周ったんだろう。
隼人の映画祭の話や、私の仕事の話などをしてるうちに、辺りはすっかり暗くなっていた。
2件目以降のお店は、地元の人達が行くような小さな店ばかりだったから、日本人はおろか観光客はほとんど見なかった。
飲み過ぎて、フラフラする。
久しぶりにこんなに飲んだり食べたりできた。
隼人に支えられながら、ホテルまでの道を歩く。
夏の夜風が気持ちいい。
「由宇、楽しい?」
隼人が私の肩を寄せて、顔を覗きこむ。
「楽しいよ!すっごく楽しい」
本当だよ?
隼人といる時間は、何をしてても心が踊る。
「隼人と一緒にいられる事が、夢みたい。
隼人は私にかけがえのない時間をくれるから……
私ばっかり、幸せだよ。
私は、隼人に何ができてるかな?」
