
隠れて甘いkissをして
第41章 叶うなら…このまま②
隼人が近付いて来る。
「ごめんな、由宇。
ここはやっぱり観光客が多くて、こんな俺でも気付かれる」
「ううん、隼人は目立つから……
あの女の子、本当に隼人のファンなんだね」
ミーハーな子だったら、写真を撮ったり後をついて来たりしてしまうだろう。
だけどあの子は、隼人と手を合わせただけで、涙を流して喜んでいた。
きっと同じような人が、大勢いるに違いない。
「由宇、ゆっくり見てていいよ。
俺は出口で待ってる」
隼人が私の頭を撫でる。
「見終わったら、お前も変装しよう」
「………変装?」
聞き返した私をみて、隼人は頷きながらニコッと笑った。
