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隠れて甘いkissをして

第42章 最後の夜

………隼人は終始穏やかな表情で話しているけど


その瞳の奥に、もっと深くて、隼人にしか分からない何かが秘めている気がした。




「でも、その一言で俺は……

大袈裟だけど、救われた気がしたんだ。

役を演じることで、“ 演じていない時に ” 本当の自分に戻ることができる。

だから今の仕事は、俺にとっては自分自身そのものなんだ。

………天職って言ったのは、これが理由だよ」




隼人は、そこまで話したところで、私に目線を戻した。




「なんか、重い話になっちゃったな。

まぁそんな思い詰めて生きてるわけじゃないから……

…………由宇?」




隼人に名前を呼ばれて、顔をあげた。




「………由宇。

なんで泣くの?」



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