
隠れて甘いkissをして
第42章 最後の夜
「ある時、アンジーの熱意に押されて………というか、いいかげん奴の攻撃に疲れてカメラの前に立った。
その時、不思議と緊張しなかったんだ。
モデルの仕事だったけど、カメラマンの求める意思がハッキリと分かるんだよ」
隼人は続ける。
「アンジーは、その後すぐに俳優の仕事を持ってきて。
そしたらあいつ、『本来の自分を保つ為に役者になれ』って言ってきた」
「……自分の……為?」
「俺という人間を、俺自身が認識出来るように
普段から演じてるその無意味なものを、仕事にしちまえばいいって。
……ワケ分かんねーだろ?」
