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隠れて甘いkissをして

第45章 忘れられない

私はミネラルウォーターを飲みながら、部屋の中を見渡した。




「………立花っぽい部屋だね」




コンクリートの打ち放しの壁に囲まれて、モダンな家具が並ぶ。

間接照明だけ点いているこの空間は、少しだけ暗い。

1人暮らしにしてはリビングは広くて、隣りには寝室もあった。




「この壁のせいで夏は暑いけどね。
……もうだいぶ涼しくなってきたな」




壁をコツンと叩いて、立花は私と少し間をあけてソファに座った。




「……それで? 何があったの?」




私を見ずに、立花は前を向いたまま続ける。




「言えよ。

不意に泣くってことは、相当溜めてたんだろ?

……話せるところまででいいから」

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