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隠れて甘いkissをして

第49章 七瀬隼人

「シゲちゃんからこの話を聞くのは久しぶりネ」




アンジーはカヴァを一口飲んで、タバコに火をつける。


横からはよく見えないけれど、さっきまでの勢いは消えて、どこか悲しそうな表情だった。


ドキドキと心臓が鳴り続ける。


………シゲさんはカウンターの中のイスに座ると、静かに話し始めた。




「ワシには妹が1人いてな。


……正確には、いた、といった方が正しいが……


妹はもともと体が弱くてバリバリ働けないんだが、幸いうちは資産があったから。


両親の仕事を少し手伝いながら、学生の時から始めた小さな劇団で、演劇をしていたんだ。


……それが、隼人の母親だよ」

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